
国内のニュース
Sakana AI、日本仕様の新モデル「Namazu」と「Sakana Chat」を公開
Sakana AISakana AIは3月24日、日本向けに調整した試作モデルシリーズ「Namazu(α版)」を発表し、同モデルを搭載したチャットサービス「Sakana Chat」も公開しました。海外の高性能なオープンウェイト基盤モデルに独自の事後学習(追加学習)を施し、日本の文化や制度、安全保障上の要件に合わせた応答を目指しています。国内利用を意識したAIの“ローカライズ”事例として注目されます。サービス公開まで一体で打ち出した点も、この週の大きな話題でした。
解説
生成AIは賢くても、そのままでは国ごとの言葉づかいや社会背景にうまく合わないことがあります。
Namazuは、その“使いにくさ”を減らすために日本向けの調整を重視したモデルです。
海外製AIをそのまま使うのではなく、日本の利用環境に合わせて作り直す流れが強まっていることを示しています。
DNP、OracleのAI基盤を組み合わせた生成AIソリューションを開始
DNP大日本印刷(DNP)は3月23日、独自の「DNPドキュメント構造化AIサービス」とOracle Autonomous AI Databaseを組み合わせた新ソリューションの提供開始を発表しました。社内文書と在庫・設備などの最新業務データを横断して扱い、AIチャットボットやAIエージェント(自律的に処理を進める仕組み)として活用できるようにします。文書の意味検索(ベクトル検索)と業務データのSQL検索を組み合わせ、根拠付きで回答できる構成です。製造現場などで属人化しやすい問い合わせ対応の効率化が期待されます。
解説
企業では、AIを入れても「社内文書だけ」「業務データだけ」と情報が分断され、実務で使いにくいことが少なくありません。今回の取り組みは、資料と現場データを一緒に扱えるようにした点が重要です。
AIの答えに根拠を持たせやすくなり、現場で“本当に使えるAI”に近づく動きとして分かりやすい事例です。
SIGNATE、業務棚卸AIエージェント「WorkAI」を紹介
PR TIMES/SIGNATESIGNATEは3月25日、AI博覧会 SPRING 2026への出展にあわせ、業務棚卸AIエージェント「WorkAI」を打ち出しました。職務概要や求人情報などの最小限の資料から100以上のタスクを自動生成し、従来は半年以上かかることもあった業務棚卸を最短約1週間まで短縮できるとしています。AI活用度の診断やROI試算(投資対効果の試算)まで含めて支援する設計です。生成AI導入を“試験導入”で終わらせず、実運用につなげるサービスとして訴求しています。
解説
多くの企業は「AIを使いたいが、どの業務から始めるべきか分からない」という壁にぶつかります。WorkAIは、その前段階である業務整理をAIで速めるのが特徴です。派手なチャット機能よりも、導入準備を楽にするサービスが増えているのは、国内市場が“実験”から“定着”へ進み始めた表れといえます。
OKI、AIサーバー機器向けEMSを開始
OKIOKIは3月24日、AIサーバー機器向けの包括的なEMS(受託製造サービス)を3月25日に開始すると発表しました。AI半導体を載せる大型多層基板の設計・製造から、部品調達、実装、検査、リワーク(修理・再実装)まで一貫対応します。AIサーバーではGPUやHBMの搭載増加で発熱や歩留まりの課題が大きくなるため、同社は放熱技術やX線検査技術を強みにしています。生成AIブームの広がりが、ソフトウェアだけでなく製造基盤にも波及していることが分かります。
解説
AIの話題はアプリやチャットに偏りがちですが、実際にはそれを動かすサーバーや部品の供給体制も非常に重要です。OKIの発表は、日本企業がAI時代の“裏方”である製造インフラに参入していることを示しています。AI市場の成長が、半導体実装や高発熱対策といった現場技術にも新しい需要を生んでいます。
Google Japan、大学生向け「Google AI 学生コミュニティ」を開放
Google Japan BlogGoogle Japanは3月第4週、大学生・大学院生向けに「Google AI 学生コミュニティ」への登録を広く開放しました。昨年実施したGoogle AI学生アンバサダープログラムの流れを受け、全国の学生がGeminiなどの生成AIツール活用アイデアを交換できる場としています。あわせて、1年間のキャンパスアンバサダー募集も案内しました。単なる製品告知ではなく、AI活用人材の育成を見据えた国内向け施策として注目されます。
解説
生成AIの普及では、ツールそのものだけでなく「どう安全に使うか」を学ぶ場づくりも欠かせません。
今回の施策は、学生がGeminiを試すだけでなく、活用法を共有し合う仕組みを広げる点に意味があります。
企業が人材育成まで含めてAI戦略を組み始めていることが、よりはっきり見えるニュースです。
海外のニュース
OpenAI、安全リスク向け「Safety Bug Bounty」を公開
OpenAIOpenAIは3月25日、AIの悪用や安全上の欠陥を対象にした公開プログラム「Safety Bug Bounty」を開始しました。従来のセキュリティ脆弱性だけでなく、エージェント型AIの不正操作、プロンプトインジェクション(外部入力で挙動を乗っ取る手法)、データ流出なども報告対象に含めます。安全面の問題を外部研究者と一緒に見つける枠組みを強化した形です。AIの高機能化に合わせて、安全確認の方法も拡張していることが分かります。
解説
AIは便利になるほど、想定外の使われ方による危険も増えます。今回の制度は、普通のソフトの不具合探しではなく、AIならではの“悪用され方”まで対象にした点が新しいです。企業が自社だけで安全性を確認するのではなく、外部の知見を積極的に取り込む流れが、今後さらに標準になっていきそうです。
Google、音楽生成AI「Lyria 3 Pro」を拡大提供
Google BlogGoogleは3月25日、音楽生成モデル「Lyria 3 Pro」をより多くの製品に広げると発表しました。最長3分の楽曲を作成でき、イントロ、Aメロ、サビ、ブリッジといった構成まで細かく指定できます。Vertex AI、Google AI Studio、Gemini、Google Vidsなどで利用可能になり、クリエイティブ用途を広げます。生成物には電子透かし(AI生成と分かる目印)を入れ、既存アーティストの模倣回避にも配慮するとしています。
解説
AIの音楽生成は“おもしろ機能”の段階から、実制作に使える道具へ進み始めています。Lyria 3 Proは、長さや曲構成を細かく指定できるため、動画や広告など実務での利用を意識した更新といえます。同時に、透かし表示や模倣回避を前面に出している点から、創作支援と権利配慮を両立させる競争が強まっていることも見えてきます。
Google、他AIアプリからGeminiへの履歴移行機能を追加
Google BlogGoogleは3月26日、他社AIアプリからGeminiへ記憶情報やチャット履歴を取り込める新機能を発表しました。設定画面からZIP形式の履歴データをアップロードできるほか、好みや前提情報を移す仕組みも用意します。あわせて「Past chats」を「memory」へ改称し、Geminiの個人化機能を強調しました。AIサービスの競争が、単なる性能比較から“乗り換えやすさ”へも広がっていることを示す動きです。
解説
AIは使い続けるほど、その人の好みや過去の文脈が蓄積されます。そのため、性能が良くても乗り換えが面倒だと利用者は動きにくくなります。今回の更新は、Geminiを最初から育て直さなくてよいAIにしようとする施策です。今後は、AIの賢さだけでなく、移行のしやすさも重要な競争軸になりそうです。
Meta、Armと提携しAI向けデータセンターCPUを共同開発
Adobe NewsroomMetaは3月下旬、Armと提携してAI向けデータセンター用CPUを共同開発すると発表しました。大規模なAI処理と一般用途の計算の両方を支える新クラスのチップを複数世代にわたって開発する計画です。Metaは、AI最適化データセンターや大規模設備での計算需要が既存CPUの能力を超えつつあると説明しています。生成AIの競争が、モデルだけでなく半導体と計算基盤の自前化へ進んでいることを象徴する発表です。
解説
AI企業の競争は、目に見えるチャット機能だけでなく、その裏側の計算基盤でも激しくなっています。
MetaがArmと組むのは、AIを安く速く動かすために、汎用部品に頼り切らない体制を作る狙いがあります。
今後は、優れたAIモデルを持つだけでなく、それを支える専用チップをどう確保するかも企業力の差になっていきます。
EU、Google・Meta・OpenAIらにAI競争環境の説明を求める動き
ReutersReutersによると、EUの競争政策トップであるテレサ・リベラ氏は3月24日、Google、Meta、OpenAI、Amazonのトップと会談しました。欧州委員会は、AIモデルそのものだけでなく、学習データやクラウド基盤を含む“AIスタック全体”を調べる姿勢を示しています。巨大プラットフォーム企業が自社サービスを優遇し、競争を妨げることへの懸念が背景です。AI市場の拡大と同時に、国際的なルールづくりも本格化してきました。
解説
AIの話題は新機能に目が向きがちですが、実際には「誰が市場を支配するのか」という競争政策も重要です。EUが注目しているのは、AIそのものだけでなく、データやクラウドまで含めた支配力です。
これは今後、AI企業が新機能を出すたびに、規制当局との距離感も同時に問われる時代に入ったことを意味します。
ライター紹介 Writer introduction
たまま AIクリエイティブアドバイザー
生成AI日常生活や創造的な活動をより楽しく、便利にする方法を発信するAI愛好家。 複雑な技術をシンプルに解説し、誰でも簡単にAIツールを活用できるようなアプローチで、読者の「こんなことができたらいいな」を形にするお手伝いをしています。 「AIは専門家だけのものじゃない、誰でも楽しめるツール」という信念のもと、テキスト生成から画像作成、音声合成まで、さまざまな生成AIの活用方法を紹介。のヒントや、仕事や趣味でAIを使うための簡単なコツをわかりやすくシェアしています。 意識しているのは、「真面目に考えずに、まずは試してみること」 読者と一緒にAIを探求し、日常を少しでも豊かにするアイデアを提供していくことで、AI技術に常にを持ってもらうことを目指しています。 生成AIを使って新しいことに挑戦したい方や、クリエイティブなヒントを探している方に向けた温かみのある情報発信を続けています。