今週のAI関連ニュース 2026年3月 第2週

今週のAI関連ニュース 2026年3月 第2週

国内のニュース

デジタル庁、ガバメントAI向け国産LLM 7モデルを選定

デジタル庁は、政府向けAIサービス「ガバメントAI」で試用する国産大規模言語モデル(LLM)7モデルの公募結果を公表しました。選ばれたのはNTTデータ「tsuzumi 2」、NEC「cotomi v3」、PFN「PLaMo 2.0 Prime」などで、今後は行政実務への適合性を「源内」で評価していきます。2027年度には、その結果を踏まえて政府調達を検討する見込みです。行政の現場で国産AIを本格的に見極める段階に入ったニュースといえます。

PC Watch

解説

これは「日本の行政で安心して使えるAIは何か」を国が具体的に選び始めた動きです。文章の正しさや安全性、機密情報を扱えるかまで見ている点が重要です。単なる技術競争ではなく、日本語の行政文書に合うAIを育てる流れが強まり、今後は自治体や公共分野への波及も期待されます。

DeNA、「AIオールイン」から1年の進捗を公開

DeNAの南場智子会長は、同社が掲げた「AIにオールイン」戦略の進捗を説明しました。報道によると、開発プロジェクトの一部では作業の95%をAIが担い、生産性が20倍になった例もあるといいます。リーガルチェックの効率化や業務フロー全体の見直しも進めており、「AIを足す」のではなく「AI前提で仕事を組み替える」姿勢が鮮明になっています。

ITmedia AI+

解説

この話題のポイントは、AIを便利ツールとして使う段階から、会社の仕事の進め方そのものを変える段階へ進んだことです。人が全部やる前提ではなく、AIが下書きや確認を担い、人は判断に集中する形です。今後は大企業だけでなく、中堅企業にも「業務設計の見直し」が広がるきっかけになりそうです。

さくらインターネット、「さくらのAI検定」を開始

さくらインターネットは、AIの基礎から実務活用までを体系的に学べる「さくらのAI検定」を設立し、教材の無料公開も始めました。初回試験は2026年夏ごろにオンラインで実施予定です。学習内容にはAI基礎だけでなく、同社のAI基盤サービス活用も含まれます。AI導入が広がる中で、人材育成を仕組み化する動きとして注目されます。

INTERNET Watch

解説

AI活用が広がっても、「何ができて、どこに注意すべきか」を理解する人材はまだ足りません。この検定は、開発者だけでなく業務でAIを使う人の基礎力づくりをねらったものです。無料教材があるため入り口として参加しやすく、企業の研修や学び直しの広がりにもつながりそうです。

学校向け「みんなで生成AIコース」、GPT-5 miniを無償提供

特定非営利活動法人みんなのコードは、学校向け生成AIツール「みんなで生成AIコース」の新バージョンでGPT-5 miniの無償提供を始めました。今回の更新では、複数条件の指示への対応力や回答の一貫性が高まったほか、夜間や休日の利用制限、アカウントロック、生徒利用状況の見える化など学校向けの管理機能も追加されています。単なるモデル更新ではなく、教育現場向けの安全設計が進んだ点が特徴です。

こどもとIT

解説

学校で生成AIを使うときは、性能だけでなく「安心して管理できるか」がとても大切です。今回の更新は、答えの質を高めるだけでなく、使う時間やトラブル対応まで考えた設計になっています。教育現場では、便利さと安全性の両立が導入の鍵であり、その好例といえます。

Sakana AI、防衛装備庁の委託研究を開始

Sakana AIは3月13日、防衛装備庁防衛イノベーション科学技術研究所との委託研究契約を発表しました。複数のAI技術を組み合わせ、観測・報告・情報統合・資源配分を高速化する基盤技術の開発を進めます。ドローンや携帯端末などのエッジデバイス(端末側の機器)で動く小規模視覚言語モデルの活用も含まれ、指揮統制システムの高度化につなげる狙いです。日本発AI企業の社会実装が、防衛分野にも広がり始めています。

Sakana AI公式

解説

AIはチャットや画像生成だけでなく、大量の情報を整理して素早く判断を助ける用途でも期待されています。今回の研究は、その力を安全保障の現場に応用しようとするものです。扱う領域が大きいだけに、性能だけでなく透明性や責任のあり方も今後の重要な論点になりそうです。

海外のニュース

Microsoft、CopilotにClaudeを導入 「Frontier Suite」も発表

Microsoftは3月9日、Microsoft 365 Copilot Wave 3の一環として、AnthropicのClaudeをCopilotのメインチャットで利用できるようにしたと発表しました。OpenAIの最新世代モデルと並ぶ形で複数モデルを使える構成にし、利用者の選択肢を広げます。あわせて、CopilotやAgent 365、セキュリティ機能をまとめた「Microsoft 365 E7: Frontier Suite」も発表しました。企業向けAIを“1つの製品群”として提供する流れが強まっています。

Microsoft Source Asia

解説

これまで企業向けAIは「どの会社のどのモデルを使うか」で悩みがちでした。Microsoftはそこを、複数モデルを選べる土台として整えようとしています。利用企業にとっては、1社に縛られず用途に応じて最適なAIを使える可能性が広がる一方、管理や安全対策をまとめて行える点も大きな利点です。

Google、Workspace向けGeminiを強化 Docs・Sheets・Slides・Driveを横断支援

Googleは3月10日、Google Workspace向けGeminiの新機能を発表しました。Docsでは文書の下書きや文体合わせ、Sheetsでは表の自動作成や「Fill with Gemini」によるデータ補完、Slidesではプレゼン生成、DriveではAI Overviewや「Ask Gemini」による横断検索が可能になります。ファイルやメール、ウェブの情報をまたいで使えるのが特徴で、まずはGoogle AI Ultra/Pro加入者向けにベータ提供されます。

Google Blog

解説

この更新は、AIが単独のチャット画面にいるのではなく、普段使う仕事道具の中に自然に入り込んできたことを示しています。文書、表、スライド、保存ファイルをまたいで手伝うため、「探す」「まとめる」「作る」を一気につなげやすくなります。事務作業の時間短縮に直結しやすいアップデートです。

OpenAI、AIセキュリティ企業Promptfooを買収へ

OpenAIは3月9日、AIセキュリティ企業Promptfooの買収を発表しました。Promptfooは、AIシステムの脆弱性やリスクを開発段階で見つけ、対策を支援する企業です。買収後は、その技術をOpenAI Frontierに統合し、企業がAI coworkers(AI共同作業者)を安全に導入・運用できるようにする方針です。AIの性能競争だけでなく、評価・監査・安全確保が製品の中心になってきたことを示す動きです。

OpenAI

解説

生成AIが企業の実務に入り込むほど、「ちゃんと動くか」だけでなく「危ない動きをしないか」を事前に確かめる必要が高まります。今回の買収は、その安全確認を標準機能に近づける動きです。今後はAIを作る力だけでなく、AIを安全に運用する力が企業選びの大事な基準になっていきそうです。

Google、ChromeのAI機能を3カ国へ拡大

Googleは3月11日、Chromeに組み込んだAI機能をインド、ニュージーランド、カナダへ拡大すると発表しました。Gemini in Chromeにより、タブを切り替えずに質問したり、複数タブを横断して比較したり、GmailやMaps、Calendar、YouTubeと連携した作業ができます。これらの機能はGemini 3.1ベースで、50以上の追加言語にも対応します。ブラウザーそのものがAI作業スペースに近づいています。

Google Blog

解説

AIが検索サイトや専用アプリだけでなく、ブラウザーの中に直接入ることで、調べる・比較する・連絡するといった日常作業が一続きになります。特に複数タブの要約や比較は、買い物や調査など身近な場面で効果が出やすい機能です。AIが“使う場所”より“作業の流れ”に溶け込んできた変化として注目です。

Meta、Facebook MarketplaceにAI出品支援を導入

Metaは3月12日、Facebook MarketplaceにMeta AIを活用した新機能を導入すると発表しました。商品画像をアップロードすると、出品文の下書きや詳細入力、価格提案まで自動で支援します。さらに、購入希望者への自動返信や、出品履歴・評価を要約するプロフィール要約も追加されます。AIを使ってフリマ取引の手間を減らし、信頼性も高める狙いです。

Meta Newsroom

解説

この機能は、AIを難しい作業ではなく「面倒な入力を減らす道具」として見せる好例です。出品や返答の手間が減れば、より多くの人が使いやすくなります。加えて、プロフィール要約で取引の透明性を高めようとしている点も重要です。今後はECや中古売買でも、AIの役割が裏方から標準機能へ変わっていきそうです。

ライター紹介 Writer introduction

たまま

たまま AIクリエイティブアドバイザー

生成AI日常生活や創造的な活動をより楽しく、便利にする方法を発信するAI愛好家。 複雑な技術をシンプルに解説し、誰でも簡単にAIツールを活用できるようなアプローチで、読者の「こんなことができたらいいな」を形にするお手伝いをしています。 「AIは専門家だけのものじゃない、誰でも楽しめるツール」という信念のもと、テキスト生成から画像作成、音声合成まで、さまざまな生成AIの活用方法を紹介。のヒントや、仕事や趣味でAIを使うための簡単なコツをわかりやすくシェアしています。 意識しているのは、「真面目に考えずに、まずは試してみること」 読者と一緒にAIを探求し、日常を少しでも豊かにするアイデアを提供していくことで、AI技術に常にを持ってもらうことを目指しています。 生成AIを使って新しいことに挑戦したい方や、クリエイティブなヒントを探している方に向けた温かみのある情報発信を続けています。

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